心の教育(13年前に掲載した記事の再掲載)

私は35年程前(昭和45年頃)アメリカの外資会社に転職したことがある。その頃は日本の大会社もそろそろ研究投資に力を入れ始めていたもののまだアメリカの技術はかなり進んでいたし、アメリカのメーカーの研究投資は日本のそれを遥かにしのぐ状況であった。その頃の日本はまだ盛んにアメリカからモノ作りに関する技術を導入していた。しかし、ちょうど転職した頃からアメリカは研究に力を入れるよりも他社にいい技術があるならそれを買い取るほうが投資効率がいいという行き方に変わってきた。ハーバードビジネススクール帰りの研修者はまじめにそんなことを言い張った。技術者である私はこのようなアメリカの会社に長居をしては自分のためにも日本のためにもならないと考え暫くしてその会社を辞めた。その頃は日本では転職する人はまだ稀だったので大変な苦労する羽目になってしまった。その後アメリカはモノ作りの研究,開発を疎かにし、M&Aやマネーゲームに現を抜かしているためアメリカのモノ作りは駄目になってしまった。その間日本はまじめに研究し,技術開発、品質管理に力を入れ現在の技術立国としての日本を築き上げた。
しかし最近、規制改革の悪い面が現れようとしている。ホリエモン事件、姉歯事件など金融関係でも技術面でも倫理観,道徳観の欠如した事件が頻発しだした。日本の国がM&Aや手っ取り早く儲けることばかりに現を抜かしだしたらどうなるだろうか。初めのうちはまだ買う技術があるにしてもいずれアメリカのようになくなってしまうであろう。資源の無い日本はどうなるか火を見るより明らかである。アメリカのように軍事力を背景にしたパワー外交や力ずくで他国の石油をあてにするわけにも行かない。
 5~6年前警察、官僚、教師などの腐敗に業を煮やし私は小泉内閣に「心の教育」の必要性を訴えてメールを送ったことがある。その頃話題にはなったものの景気回復、規制改革などで影が薄くなってしまいあまり叫ばれなくなってしまった。馬鹿は死ななきゃ直らないという言葉があるが権利ばかりを主張し、義務、倫理観、道徳観の欠如して育ってしまった大人達が死なないと直らないのかもしれない。とすれば今すぐ心の教育に力を入れ始めたとしても効果が期待できるのは早くて何十年も先のことだろう。もはや手遅れかも知れない。
 私は規制改革には賛成である。しかし今の日本の若者達に対しては悲しいかな性善説に基づいて緩和してはならないのではないか。
 今の時代もよくなるどころか神戸製鋼をはじめトーレ、日産自動車、三菱自動車、スバル、三菱マテリアル、東洋ゴム、ごく最近では KYBなどメーカーの大会社がデータの改ざんなどでますます企業犯罪が増加している。自分たちが品質管理を真面目にやりデミング賞を獲得しようと努力した時代が懐かしい。全く近頃の経営者は質が低下したものだ。自分たちが築いた日本の技術、信用はこのような経営者たちのおかげですでに失ってしまった。資源のない日本はこの先どうなっていくのだろう。人間の品質管理をしなければならない。
 

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