原田マハ「総理の夫」

 アート小説系の作品が多い著者にはめずらしい政治の世界を書いた小説である。勿論フィクションであるが、その内容はあの東北大地震前後に自民党が下野したころを題材にしている。はじめは民主党政権なのかと思ったが全く違っていた。なかでもあの壊しやの闇策士の小沢一郎らしき人物が登場するところは現実と似ている。この小説の主人公は日本で初めて誕生する女性総理大臣であり、その経緯を夫(First Gentleman)が日記風な形式で書いている。内容は安倍総理があの悪魔のようなと言った民主党政権時代とは全く違うものだった。今のままでは日本は駄目になってしまう。どうすべきかを命をかけて国民に訴える。またその弁舌がすばらしい。1000兆円を超える借金を抱えた財政問題と経済活性化問題、日本を取り巻く安全保障問題、社会保障、人口減少、子育て問題などをすべて解決しなければならない。そのためには再増税するしかない。それを全国民に向かって就任演説で訴える。あの壊しやが初めはこの女性総理を担ぎながら途中から増税反対に回ったり、First Gentlemanのスキャンダルをでっち上げようとしたり邪魔をするところは現実味がある。ところが総理本人が懐妊してしまい、これではとても任務が全うすることができないと悩みながら辞任を発表する。しかしそれでは自ら子育て問題を放棄することになってしまうと周りが許さない。国民の支持率は80%をこえる勢いだ。とうとう壊しやも諦めて女性総理のお手並み拝見と静観するところで小説は終わる。読み終わって正にこのような政治を真剣に提案すれば増税も改憲も素直に国民は納得するのでなかろうかと思う。今の野党の馬鹿さ加減では国民は支持しっこないに決まっている。多数をとるためにだけ共産党とも候補者調整をするなどの小細工で何でも反対するだけで議案作成能力は全く欠けている。この小説のように「この国の姿を提案できる」野党でない限り無理である。安保反対時代の時代遅れのイデオロギーしか頭にない野党では無理である。また本当に日本の未来を変えたいと思うなら国民全体がもっと教養を身につけなければならないだろうと藤原正彦氏は訴えている。
 

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