林 尹夫 「わがいのち月明かりに燃ゆ」

終戦記念日の靖国神社参拝に関して今更と思うが、自分は入院中だったので遅ればせながら、ベッドで読んだ林 尹夫の日記「わがいのち月明かりに燃ゆ」
を紹介しよう。
1922年生まれの林 尹夫は三高に進学、トーマス・マンに傾倒し休学してドイツ語フランス語はじめ英語などを勉強、多くの小説を原書で読む。その後復学卒業し京都帝国大学文学部に進学する。毎日本を読まずにはいられない勉強家で、文学、社会学、哲学などの学者としての将来を期待されながら、1943年学徒出陣により土浦を経て美保海軍航空隊に配属される。軍隊という訳の分からない規則に縛られながら、勉強を怠ることはなかった。彼は日本が宣戦布告した大東亜戦争を肯定するが日本の軍隊組織、教育は認めることができない。日清戦争、日露戦争とは違う今の戦争でこんな軍隊で勝てるわけがないと思いながら。そしてドイツは降伏、日本も刻々と厳しい戦況が迫ってくる。
 そんななか、彼は一冊の本になる程の日記を書いているが、その中の1節を紹介しよう。

南九州の制空権すでに敵の手中にあり、我らが祖国まさに崩壊せんとす
生をこの国に享けしもの なんぞ生命を惜しまん
愚劣なりし日本よ!優柔不断なる日本よ!
汝いかに愚かなりとも 我らこの国の人たる以上その防衛に奮起せざるを得ず
オプチミズムをやめよ! 眼をひらけ! 日本の人々よ!
日本は必ず負ける そして我ら日本人は なんとしても 新たなる生命を吹き込み
新たなる再建の道を 切り開かなければならなぬ・・・・・・

死を間近に控えた彼はこの日本の国を将来の若者に託している。そして敗戦の2週間まえの1945年7月28日未明月明かりに散ってしまった。最後の前日まで読みたい原書を読み、そして恩師、友人、親兄弟らに日記に手紙に思いを残している。こんなすばらしい人たちを死なせてしまった日本の軍隊の愚かさにいまさら憤りを感じる。何とも悲しすぎる現実なのだ。

 戦後日本の利己的な個人主義、金が全ての金権政治、低レベルの教育、呪縛の歴史教育など今の日本よりあの時代の方が遙かに勉強家が多かったし、心から国を思う人たちが多かった。いまの日本の堕落した政治家たちの下ではとても立派な人材は育ちようがない。私は彼より13歳年下であるが自分の大学時代は一時期、旧制姫路高等学校の校舎をつかったのでその気風がよく伝わってくる。
 学徒出陣で多くの優秀な学生達や国のためにあの戦争で散った人たち、私に父もそうだが300万人以上が祀られている靖国神社に時の総理大臣が終戦記念日に参拝しないのは何故なのだ。総理を辞めたら参拝するなど一体どういう理由なのだ。そんな人たちには参拝してほしくない。

 

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント