テーマ:読書紹介

遠田潤子 「雨の中の涙のように」

父親の転勤で転校が多かった堀尾葉介は女性的な容姿がもとでオカマなどといじめを受ける。母は転勤の各地で男をつくり不倫。挙げ句父に見つかって殺害される。そんな不幸を背負った少年葉介は後にアイドルとなり、さらに修業をし容姿と才能に恵まれ、誰もが好感を持つような世界的にも有名な映画俳優となる。過去に縛られ不器用に生きる人たちが彼とすれ違うとき、…
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原田マハ 「風神雷神」下巻

インドのゴアまで一緒に来てくれたヴァリニャーノ神父はゴアに留まることになり、代わりにロドリゲス神父の同行で遣欧使節の四人と宗達は季節風を待ってゴアに滞在したのちアフリカの南端喜望峰を超えポルトガルに向かう。セントヘレナ以外は途中陸はなく海と空しかない長い船旅、しかも猛暑である。そして3年近く過ぎてやっとポルトガルに着くのである。当地では…
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原田マハ 「風神雷神」上巻

謎の絵師俵屋宗達、「風神雷神図屏風」をめぐる解釈についての原田マハの小説である。 俵屋宗達は安土桃山末期から江戸初期にかけて京都で活躍した絵師であることは間違いないが、その生涯は不明のようだ。その絵師の生涯を作家なりに想定した小説である。  俵屋宗達に私淑した尾形光琳、光琳に私淑した酒井抱一はそれぞれそ作品を模写したらしい。 マ…
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知念実希人 「祈りのカルテ」

研修医の諏訪野は純正大学病院で救急医療、精神科、外科、皮膚科、循環器内科 などを2年間まわりながらいろいろな体験をする。  いつも月末なったら睡眠薬を多量に飲んで救急で病院へかつぎ込まれる女性の担当し、治療しながら、何故このようなことを繰り返すのかつい深入りをする羽目に。外科では初期の胃がんの手術で体に負担の少ない内視鏡手術を奨める…
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知念実希人 「優しい死に神の飼い方」

著者は医師であり、作家でもある。「ひとつむぎの手」を読んで医学の世界のことにいろいろな問題があることを改めて考えさせられたが、この本の内容は終末医療を携わるホスピスに於ける間近に死を迎える患者の心理状態を犬の目から見た世界を描いている。(「吾輩は猫である」のように犬は擬人化されている)犬は人間の心を読む能力は人間以上に優れた感覚をもって…
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知念実希人 「神のダイスを見上げて」

著者のこのようなタイトルの小説に興味を感じ読んでみた。 「神はダイスを振らない」とアインシュタインはいう。しかし、それは間違いだという。(このダイスはサイコロのこと) 3年前アメリカ・アリゾナ州のエドワード・ダイスというアマチュア天文学者によって発見された巨大小惑星、直径400km(発見者にちなんでダイスと命名された)が、2023…
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知念実希人 「ひとつむぎの手」

母親が心臓ガンを患い、難しい手術を純正医科大学の心臓外科医の赤石医師に助けられる。このことに感化され平良祐介は自分も人の命を助ける仕事の医師になろうと決意する。そしてもっとも希望する同じ大学を卒業し、その医局に入り赤石主任教授のもとで心臓外科医として励んでいる。もうかれこれ10年になり働き盛りの中堅医師となっている。そんな折最近医局に心…
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岳飛伝を読み終えて

水滸伝19巻から始まり、楊令伝15巻、岳飛伝17巻とつづく。全51巻をほぼ1年かけてやっと読み終えた。コロナ騒ぎで引き籠もりのため、この長編ものを読む気になったのも事実である。水滸伝については昨年の8月、楊令伝については今年1月に紹介した。その続きが岳飛伝なのだ。楊令がやっと梁山泊の理想を完成するかにみえた矢先側近に暗殺されるという…
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遠田潤子 「銀花の蔵」

絵を描くことに趣味を持つ尚敬は絵画カフェで、生まれたばかりの赤子を抱いて雪の降る寒い赤線の街を裸足であてどなく歩く美しい女性を見かけ、その境遇に見過ごせないものを感じ事情を聞くことになる。それがもとでその女性と結婚することに。その時の赤子はまだ名前もなかった。雪に因んで銀花と名付けるのであった。  本書はその銀花の昭和初期から平成いた…
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渡辺惣樹 「朝鮮開国と日清戦争」

本書を読むと朝鮮の開国は日本が主体にアメリカが協力して成し遂げたこと、また何故日清戦争になってしまったのかがよく理解できる。今まで通り一遍の歴史書や戦後の呪縛歴史教育ではよく理解できなかったことがやっとスッキリしてくる。  開国以前はフランスの牧師が朝鮮で殺害される事件や、交渉のために訪問した船を焼き打ちしたりの無法きわまりない朝鮮で…
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柳 広司 「太平洋食堂」

この本は大石誠之助という実在の人物を主人公としたノンフィクション小説である。自分は大石という人を全く知らなかったが、明治初期和歌山県の新宮の開業医である。アメリカに5年、インドに2年留学したことがあり、本場の英語も達者なこの時代としてはこの地区の尊敬されるインテリであった。やさしい大石は困った人たちからは治療代を取らず、金持ちからは多め…
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北方謙三 「楊令伝1〜15巻」

水滸伝を読むことになった経緯は武漢ウイルスがパンデミックになり、図書館も一時閉鎖去されることがあった。その後貸し出しはできるようになったが、リクエストした新刊本はなかなか順番が来ず、仕方がないので待ち人なしの古い本を借りることにしたのがきっかけであった。8月にやっと水滸伝を読み終わったが、あまりにも悲しい結末でありこのままでは収まらず、…
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原田 マハ「美しき愚か者たちのタブロー」

原田 マハは美術関係の著作が多いが、この小説は上野西洋美術館の設立の経緯となった松方コレクションのノンフィクションである。 川崎造船の初代社長、松方幸次郎が20世紀の初期、5度のヨーロッパ出張中にとある街角でフランク・ブラグインの絵に興味を持ち買うことになる。それがきっかけとなりジベルニーを訪問したり、モネとも親しくなり直接注文するな…
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柚木裕子 「慈雨」

定年退職した元刑事の神場智則が妻と二人で四国八十八カ所の巡礼の旅に出る。退職後も自分が担当した幼女殺人事件の犯人が誤認逮捕ではないかと悩み、陵辱され殺害された6歳の女の子の夢を見る。もし、そうなら今逮捕されて刑務所にいる犯人は無実だし、その後も真犯人は同じ犯罪を繰り返すかもしれない。と思いながら実際に16年も過ぎて今まさに同じような幼女…
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南 杏子「いのちの停車場」

救命救急センターに40年勤務の女性医師、在職中は命を救うために時間との闘いで気が休まることがなかった。要請があれば断ることができず、すべて受け入れるのが彼女の救命医としての使命だと考えていた。それがもとでつい未資格の学生を手伝わせてしまうことが責任問題となって退職する。その後はふる里の金沢に帰って在宅医療の訪問医となる。  救命救急の…
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鈴木光司 「楽園」

日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞作品である。 先に宇宙物理学の本を何冊か読んだからか、何故かファンタスチックな小説を読みたいと思い探してみた。この本の内容は一万年の時を越えて生まれ変わっていく人間の姿を描くもので、遠い昔モンゴルで愛し合いながら分かれてしまった二人の男女がいた。この二人の魂は、伝説の「赤い鹿」の彫刻の精霊に守られなが…
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喜多川 泰「君と会えたから・・・・」

今の世の中、自分のやるべきことが分からない、あるいは見つけられずに無気力に過ごしている若者が多いように見受けられる。羅針盤を失った船のように自分の進むべき方向も分からなかったある日、ある女性に出会うが彼女には秘密があった。その彼女から自分の人生を変える大切な教えを受けることになる。悲しくも感動的な一冊であった。
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原田マハ 「フーテンのマハ」

作家になる前大学ではアルバイトをしながらの耐乏生活であった。そんな生活の中でもとにかく移動することが大好きであちこち無計画にインスピレーションのママ旅をした。卒業後は美術関係の仕事をしながら大学時代の親友と2人で旅を楽しんだ。当てもない旅の中でその土地のいろいろな人達との語らいやその土地の食べ物などを経験する。その後美術館に勤め世界を旅…
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夏川草介 「神様のカルテ 新章」

栗原一止医師は大学の医局にもどって日常の診察の他に研究業務でも忙しくなる。以前声がかかった時は病院に残る決心をしたものの、小幡医師から刺激を受け、医局にもどり大学院生となる。医師としての給料はたったの20万弱なのにそこから5万円の授業料を天引きされる。親子3人は御岳荘という古い旅館跡に他の独身者2人と共同生活している。妻はプロの写真家で…
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北方謙三 「遠雷」チンギス4

バイカルに派遣した人達がメルキト族に殺害されたことからテムジンはジャンダランのジャムカの助けを借りながらメルキト族のトクトア軍と戦い撃退する。一方、ジャンダランの隣の大国、ケレイト王国のトリオル・カンの長男の軍は一万もの軍を引き連れメルキトと戦うが森の中に誘導され七千もの兵を失うことになるなど、同じモンゴル族同士や異なる民族との諍いに明…
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澤田瞳子 「落花」

平安時代の中頃敦実親王の長男の寛朝は父から疎まれ11歳で仁和寺の僧侶になっていた。しかし、経典の読踊法の梵唄を極めたく京の都から千里も離れた坂東を訪れる。坂東では平将門をはじめその土地で暮らす様々な人々と出会いながら都から突然姿を消した豊原是緒を探し求める。京から従者の千歳が同行するが千歳は自分が一番ほしがっている琵琶を手に入れようと画…
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夏川草介 「神様のカルテ0」

読んだ順番が逆になってしまったが、この”0”は栗原がまだ医学生の5年生から研修医の頃のことの内容だ。この巻の中で心に残った言葉がある。 「人は一生のうちで一個の人生しか生きられない。しかし、本はまた別の人生があることを教えてくれる。沢山の本を読めば沢山の人生を体験できる。そうすることによって沢山の人の気持ちが分かるようになる。そして優…
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夏川草介 「神様のカルテ3」

本庄病院の副部長の古狐副部長が亡くなって、更に忙しい日々を送っていた。内科部長の大狸先生が昔面倒を見た小幡医師を北海道の病院から連れてくる。超音波内視鏡の技術を持った日本でも最優秀な消化器内科の美人女医だ。ところが、まわりの医師達がてんてこ舞いしているのにどうも患者を区別しているようで、看護師達にあまり評判よくないらしい。患者が重篤な状…
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夏川草介 「神様のカルテ2」

栗原一止内科医は従前通り忙しく病院に泊まり込む日も多い。そんなとき大学の同期生であった優秀な友人、進藤辰也が東京の病院から転職してくる。栗原も他の従業員は皆期待した。ところが、協力的ではなく、他が忙しくしていても時間通りに帰宅してしまうことが多い。また、緊急で呼び出そうと思っても電話を切っていてつながらない。栗原は辰也に注意するが、なか…
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篠田節子 「肖像彫刻家」

この小説の主人公高山正道は、私立美術大学をトップで卒業後それなりの評価を得るも、うだつが上がらず妻と息子に逃げられる。失意の中、先輩に誘われイタリアで修業。ロストワックス鋳造法など学び、いろいろな技術を身につけることはできたが、それで身を立てるまでは至らず8年後帰国する。イタリア滞在中に両親が亡くなっていたことも知らず帰国。姉の協力で八…
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夏川草介 「神様のカルテ」

本庄病院に勤務する栗原一止は内科医5年目の医師である。内科医でありながら救急医として外科もこなさねばならない。しかも自分は40人もの受け持ち患者がいる。年寄りのがん患者で終末期の患者もいるなか不眠不休の忙しい毎日を送っている。そんなとき母校の大学の医局への移動の話がもちあがる。見学に行って驚いたことは患者の数よりも医師、研究陣の数の方が…
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恩田陸 「錆びた太陽」

日本の捕鯨に反対しているシーシェパードが捕鯨船を襲ったことは事実であり海賊行為であり、テロ行為である。この空想的な小説は日本の原発に反対している世界の環境保護団体が起こした原発破壊行為の結果、日本の約20%に地域が危険区域として設定され、人間の立ち入り禁止区域となった。このストーリーは原発事故の東北とほぼ同じ地区に設定し、事故後ですでに…
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河崎秋子 「肉弾」

ワンマンな父のもとで育った貴美也は大学を休学ちゅうのニートである。そんな息子を何とかしようと狩猟の免許をとらせ北海道の摩周湖付近に連れ出す。ここは国立公園内で当然ながら禁猟区であるのに無視して大物の雄鹿を仕留めるためにカルデラ地帯の奥深くに入り込む。ところが鹿ではなく突然ヒグマが襲いかかり、ウインチェスター銃を構える暇もなく父は腹を割か…
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写真家、幡野広志 「ぼくが子どものころ、ほしかったおやになる。」

写真家であり狩猟を趣味とする著者は34歳で多発性骨髄腫という不治のがんを煩い余命3年の宣告を受ける。子供がまだたった2歳のときだった。限られた未来を息子の限りない命につなぐために書き残した大切な人生観である。 1 優しさについて、ぼくが息子に伝えたいこと 2 孤独と友だちについて、息子に学んでほしいこと 3 夢と仕事とお金につい…
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河崎秋子 「颶風の王」

東北と北海道を舞台に、馬とかかわる数奇な運命を持つ家族の、明治から平成まで6世代の歩みを描いた壮大な物語である。由緒ある庄屋の娘のミネが小作の吉治と駆け落ちするところから始まる。吉治は捕まって殺され、ミネは馬と一緒に逃げるが途中雪崩に遭い遭難。吉治の子供を妊娠していたミネは愛馬の肉を食らいながら奇跡的に助かり、捨吉を出産する。その吉治は…
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