知念実希人 「レゾンデートル」

レゾンデートルとはフランス語の存在理由という意味。主人公の末期がんを宣告された外科医師の岬雄貴は毎日酒浸りの日々を送っていた。そんなある日、コンビニで酒を買って帰ろうとしたとき不良から難癖をつけられひどい目にあわされる。自分の限られた残り寿命を考えるとやけっぱちになっていたが逆に復習を果たすために生き甲斐ができたと思い直す。学生時代に剣道をやっていたのでその早業を磨き直しながら鍛える。そして自分より遙かに大柄な不良を見事倒し復讐を果たす。一方「切り裂きジャック」と称する連続殺人鬼が残す同じトランプカードが一枚死体に添えられていた。その殺人鬼切り裂きジャックと岬雄貴が奇妙な関係がはじまり・・・・次々と殺人事件が起きる。
狙われた被害者は本来重い罰を受けるべき人間が無罪でのうのうと生きているような本来存在理由にない人間を狙って始末するというものであった。警察もお手上げの状態がつづく。・・・
余命わずかな岬と若い音楽家志望の女性との恋、やくざの世界との関わりなどが絡んだサスペンス・ミステリー小説。
 ところで著者は慈恵医大を卒業、10年以上医師として働いた経験があるので医学的な内容の小説が多いが、主人公の岬医師は胃がんステージ4でしかも肝臓に転移し手術の可能性がない状態だった。胃がんが他臓器に転移するとまず助からないとされている。これと同じような診断を受けて国立がん研究センターから見捨てられたひとが私の身近にいる。胃がんの転移でない原発がんであったことを誤診したのだろう。しかし病院をかえて幸運にも助かり、その後自分が医者になると言って医学部を受け、今は医者となっている。実際はこのような誤診で捨てられた患者も多いような気がする。

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